桑浜小学校の名前の由来ともなっている、桑浜の地を歩きます。
旧桑浜小学校から少しくだると山道があります。
山道を抜けると住宅が並び、その奥には海が見えます。
それはまるでドラマのワンシーンのような風景。
「漁村」という言葉がぴったりのこの桑浜。
どんな方がお住まいなのでしょう。
「いらっしゃい」
笑顔で出迎えてくださったのは、桑浜の会長さんです。
会長さんは夫婦で桑浜にお住まい。
漁業をされています。
1度、モリウミアスで出会った方々と会長さんの家に伺ったことはあったのですが、
一人で行くのははじめて。
覚えてもらえてないかもしれない…という不安も交じり、緊張しながら訪問しました。
「あがってって」
奥さんの由紀子さんに誘っていただき、おうちにお邪魔しました。
「あなた、奈良から来たんでしょ?遠かったんじゃない?」
「学校(モリウミアス)、できてきたね!」
「この間お風呂の内覧会があってね、…」
「6日にここでお祭りがあるの!」
由紀子さんの優しい雰囲気につつまれ、楽しく話をしていると、お客さんが来られました。
以前ワカメ漁に一緒に行かせていただいたのり子さんです。
「お母さんね、人がとっても好きなの。」
由紀子さんとのり子さんは言葉通り、突然お邪魔した私にとてもよくしてくださったばかりでなく、
過去に家に来た方のこともよく覚えておられました。
「人がいっぱい来て、出会いがいっぱいあって」
由紀子さんとのり子さんは話します。
「桑浜の人は震災で減っちゃったけど、外からいっぱい人が来るようになった」
確かに私自身、東日本大震災が起こるまで石巻や雄勝のことを聞いたことがありませんでした。
きっかけは震災という悲惨なものではありますが、私は雄勝に来て、多くの方に出会いました。
桑浜の皆さんと、世界各地から雄勝に来た方がつくる、モリウミアス。
由紀子さんとのり子さんとお話をして、雄勝が、桑浜が、もっともっと好きになりました。