2015年3月29日日曜日

モリウミアスオープンに向けて

モリウミアスは、2015年夏にオープンします。
つまり、今はまだオープンしていません。

なのに、ボランティアの方が集まる場所。
今日はその種明かしを少し。


モリウミアスには、世界からボランティアの方が集まります。
週末には元古民家の事務所、「おがつアカデミー」が人でいっぱいになるほど。

企業研修、事業の一環、個人参加、学生団体、大学関係者、友人の紹介、そしてブログチーム(私たちのこと。笑)
など、さまざまな理由で多くの方が参加され、共に活動し、共に料理を食べ、共に寝ます。

 どんな活動を?

私はモリウミアスに2度(1月と2月)行きました。
今日は1月に行ったときの活動を紹介します。
2月の活動も、追々アップしていきます。

私の行った日は、薪割り、校長室の床はがし、畑の開拓、壁となる板の塗装をグループに分かれて行いました。

私は塗装に参加しました!
材料となる板はこんなに多くて、気が遠くなってしまいます…(笑)


広げるとこんな感じ。
体育館に板を並べて、ペンキで色を塗って行きます。


皆さん真剣に、でも笑顔を絶やさず、わいわいしながら作業します。




そして完成!
皆で成し遂げた達成感!
とても気持ちが良いです!


ちなみに、この日の他のグループの様子です。

薪割り班

畑の開拓

校長室の床剥がし

どの班もチームで協力して作業を進めます。
コミュニケーションの取り方、仲間と協力することの大切さを学ぶプログラムが、モリウミアスにはいっぱいあります。

 モリウミアスのごちそう

モリウミアスで食べられる料理はとにかく絶品!
銀鮭、ホヤ、牡蠣をはじめ、おいしいものづくしです!!



雄勝の海の幸×一緒に汗水流した仲間との食事
このおいしさが味わえるのは、モリウミアスだけ!

 さいごに

いかがでしたか?
このように、毎週ボランティアの方が集まってモリウミアスを作り上げています。
オープン後も、モリウミアスはさまざまなプログラムを通して進化し続けます。

2015年3月24日火曜日

地球は丸い

モリウミアスの近くには、大浜、桑浜、荒浜と、浜が3つあり、それぞれが少しずつ雰囲気が違います。
地形も違うので、浜によってとれる海の幸も、海の幸の取り方も違ってきます。

午前8時の出発です。
冬の朝の潮の空気は冷たいけれど、とってもさわやかでした。

今回は、清徳さんとのりこさん夫妻の船に乗せていただきました。
笑顔で出迎えてくださった清徳さんも、船を運転するときは真剣です。



10分ほど船に揺られて到着。
作業開始です。
今日はワカメ漁を見学しました。
こんな大きいワカメをこんなにたくさん見たのが初めてで、感動しながら写真を撮っていました。

清徳さんとのりこさんは、ワカメの部位の説明と美味しいところを教えてくださいました。


モリウミアス滞在中、新鮮なワカメの料理をいただきました。
雄勝の方と一緒に食べる雄勝の海の幸は、絶品です!



もう一つ、今回のタイトル「地球は丸い」について。
漁のあと、水平線を見ることができました。
「水平線とは、まっすぐ続いていて地球の大きさを感じるもの」
これは私の思い込みだったようです。
実際に雄勝で見た水平線は丸みを帯びていて、私はむしろ地球の小ささを感じました。

このブログをご覧いただいている方の中には、
「東北は遠い、雄勝は遠い」と思っておられる方もいるかと思います。
しかし、関西(空港)から雄勝へは、3時間ほどで行けちゃいます。
(その他の地域の方はgoogle mapでご確認ください。)
https://www.google.co.jp/maps/place/〒986-1313+宮城県石巻市雄勝町桑浜桑浜60

地球は丸いんです。大きいようで小さいんです。
だからこそ、すぐに行けるんです。
実際、仙台や東京でお仕事をしながら、週末のみモリウミアスに来ておられる方もいます。

ひとりで、友達と一緒に、家族を連れて。
モリウミアスへ、ぜひ。


2015年3月4日水曜日

毎日を一生懸命生きていたら

雄勝で漁師をしておられるはじめさんのホヤ漁の船に一緒に乗せていただきました。

少し風が強かったものの、天候にめぐまれました。

10分ほど船で移動し、浮きのあるところで止まったかと思うと機械が動いて・・・






出てきたのはホヤ! 
大漁です!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんでも、ホヤの養殖は3年かかるそうです。
2014年のホヤは津波に流されてからはじめてとれたものでした。
 
刺身、ホイル、スチームにして食べるとおいしい
と、くわしく説明してくださいました。
 
そして、ホヤをさわってみることに・・・
 
 
触った感じは「ぶにぶに」という言葉がぴったり。
みんなは不思議そうに、でも興味津々にホヤを見ています。
ホヤにはマイナスとプラスがあり、そこから水を出し入れしています。
ホヤに入っている水をはじめさんが出したときは、「わっ」と声が上がりました。
 
 
とれたてのホヤを食べてみることに・・・
 
 
どんな味?
 



 
「しょっぱい!」
「食感が不思議!」
「新鮮でおいしい!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
船からあがってから、はじめさんにお話を聴くことができました。
 
 
 はじめさんは地震の前、漁をしていました。
そのとき、地震の前触れである地鳴りが聞こえたのです。
(おかしいな、普通海上で地鳴りは聞こえないのに。)
そう思っていると、
水をはったたらいをゆらしたときに出るような三角の波が一面に広がったのです。
 
それから少しして揺れを感じました。
時間が長く、大地震だと分かったはじめさんは陸に戻ります。
 
陸に帰ると、3mの津波警報が出ていました。
 
 
少しすると、6mの津波警告に変わり、
留守だった息子を迎えにいったときには10mの津波警告になっていました。
 
 
息子を連れて家に戻る途中で波がきたので、はじめさんは山に行きました。
津波第1波、第2波、第3波と、だんだん高い波が押し寄せてきます。
多くの家が押しつぶされているのが見えたそうです。
 
 
 
その津波は、はじめさんの船もさらっていきました。
4隻あった自分の船を探したものの、見つかりません。
修理可能なひっくり返っている船がいくつかありましたが、はじめさんのものではありませんでした。
 
船がないので、海に行けません。
また、海に沈んでいる船もあったため、養殖もできません。
 
はじめさんは他の仕事につくことも考えましたが、
家の近くに戻ってくると海のにおいがして落ち着きます。
(できることなら漁がしたい)
そうはじめさんは思いました。
 
漁をするためには沈んだ船を撤去してもらう必要があります。
はじめさんは2011年5月に行政に相談しました。
 
大きい作業は行政に頼み、小さい作業は自分たちで行いました。
北海道から、養殖に1年かかるホタテの種が送られてくるので、11月までにセットすれば翌年に間に合う!
はじめさんは必死に作業をしました。
 
船は、いろんな漁師と共有しました。
震災前は自分が経営者で人々を動かす立場だったはじめさん達。
その漁師さん達が協力して漁をします。
「役割分担ができて、支えられた」 とはじめさんは話します。
 
 
(震災当時、いろんな人に支えられたからお返しがしたい)
そう思ったはじめさんは、加工会社を通さず、お客様にダイレクトに商品をお届けする会社を設立しました。
 
顔の見える取引をすることで、自分たちの育てる海の幸の量や質だけでなく、
人とのつながりも考えるようになったそうです。
 
 
今まで通り雄勝で漁師をしていたら、雄勝の人としか出会えなかった。
震災があって、いろんなところに出て行ったり人が雄勝にきたりして、人とのつながりが大きくなった。
はじめさんはこれからも、おいしいを直接お客様にお届けします。
 
 
 
「毎日を一生懸命生きていたら、4年がすぎていた。」
と、はじめさんはおっしゃいました。
震災から4年、はじめさんは私たちに大切なことを教えてくださいました。